【高野霊木之家 完成】
カテゴリ: 森林・林業・製材・材木・住宅
【高野霊木之家 ついに完成】


約半年に渡る高野山での施工が、今日ようやく完成し、
引き渡し式が、12月21日(月)に行われました。


高野霊木(高野杉)の構造材で創る

高野霊木之家
      国土交通省 地域住宅モデル普及推進事業

この6月ごろ、設計図面があがってきました。

しかし、すんなり施工へとはいかなかったのです。

実は、町の環境整備課から高野町の景観条例第1号にあたる物件
として、ギリギリで、設計内容の変更が求められました。山林部
と施工工務店と役場との何度もの打ち合わせが行われ、何度も設
計図が変更されました。


木拾いも当然に変更され、山林部の課員はタイトなスケジュール
のなか安全第一、高野山の尊厳護持を理念に育林をしてきたこの
5つの森にゾーニングされた1200年の高野山の森から、伐採
・搬出を行われました。

あの材が足りない、これも足りない。

原木入札、森林セラピー、林業教室、施業保育、各種通常の行事
などを行いつつ、いままでの約1200年の歴史のなかで、堂々、
これぞ地産地消としての住宅モデルを本山で建てたという経験は
なかったのです。

すべて初めて。

また、木材としては無垢材の品質の担保を優先し、信頼と実績の
ある他地域の工務店により、製材・乾燥・2次加工を行い、高野
町の地元の建設会社、大工が施工しました。この間に、山林部
の課員は、主任を中心に、材を提供し、全員一丸となって本プロ
ジェクトに参画、関与されておりました。

流通が不明確と言われ、あの山の木がどこにいったかわからない
というのが常識とされた業界において、このプロジェクトの意味
はトレサビリティの確立だけではありません。

目的を整理すると、


・共利群生の森を目指し、その尊厳護持の理念のもと、
 弘法大師空海が守られてきた森林資源の活用し循環させること

・気候風土などの地域特性に配慮した五感に訴える木の暮らしが体感できること

・二酸化炭素の吸収、固定、ウッドマイレージによいこと

・地元の生産される木材で地域健材や地場の大工が活性化すること

・景観条例の先進モデルとしての象徴的なモデルであること

・住民、観光客、信者との新たなコミュニティの場になること


などなどの目的があります。

宗派問わずに、様々な人々を救い、豊臣家や上杉謙信、織田信長など
名だたる戦国武将をはじめとする40万基といわれる墓石が眠る奥の院
には、300年級の樹齢になる高野霊木が立ち並んでおります。

これも実は、いわゆる人工林であり、1200年の歴史からすれば、4回目
の周期と考えてもよいスパン。台風などのよる倒木以外では基本利用
されないが、次の300年、次の400年をどうするか、そんな森づくりを
目指すなか、このような高樹齢の木材利用と、いわゆる50年~80年ク
ラスの利用間伐した材も納材し、このモデル住宅のプレゼンスは、
世界遺産高野山のその尊厳護持にあるのです。

とにかく、いろんな経緯があり、いろんな人がかかわり、いろんなド
ラマが有り、高野霊木之家は出来上がりました。

場所は、高野山真言宗の総本山金剛峯寺の目の前に立地しており、
誰にも目がつく場所にあり、夕暮れ時がとくに美しいのです。

ミシュラン3つ星になってから、フランス人観光客が後を絶たな
くなった世界遺産、高野山。最近は、このモデル住宅をみると


「NEW TEMPLE?」 

と驚きをもってしてのぞきに来るといいます。

いまだに

「木を切るのは悪だ」

「寺が家を売るとは何事だ」

という様々なところからの声に対しし、一つ一つ、広報や観光関係
のメディアに対し、山林部の活動とその意義を説明してきました。

森林保全、植林、育林、間伐、伐採、循環型社会の構築のみならず、
高野山の様々な魅力や、空海の教えも一部に伝えたいのです。


高野山真言宗のキーメッセージはいま

「生かせ いのち」

そこにはただの一宗教法人としての教えのみではなく、弘法大師空海
(お大師さま)の壮大なる世界観、環境観、自然との共生としての
曼陀羅の世界をも表現され、宗教環境都市という名をうつ「高野町」
として、日本中へ、世界へ、発信していかなければならない「地域」
の価値がここにあります。


一千年。二千年。
    変わらぬ価値がある。


このプロダクトメッセージを山林部の課員とともに、ロゴマーク
も、想い込めて創りました。ちなみに、あの「高野霊木」という
文字(ロゴタイプ)は、弘法大師筆の誤りといわれるほど達筆で
あった、その弘法大師空海のまさに文字であり、国宝、聾瞽指帰
(ろうこしいき)という、空海が20代のころ、仏教、儒教、道教
の違いについて書かれた書からとって、デジタル加工しました。

またそれ以外にも様々なメッセージが込められている。
これら意味もこれからしっかりと内外に伝えていかなければ
ならないでしょう。

禽獣草木皆是法音
  (きんうじゅうそうもくこれみなほっとん) 

生きとし生けるものはみな仏の教えであり、曼陀羅である。
生物多様性の理念は、すでに、仏教界では遠く昔から言われ
ていたのです。


そんな共利群生(きょうりぐんじょう)の賜物である山林資源
の「木」で創られた高野霊木の家。感慨深いという一人間の感
情を超えたディープエコロジーの表現系がここにあります。


見どころはこちらか。


・高野町 景観条例第一号
・入った瞬間、木の薫りがする家
・玄関にある白い大きな「遥拝壇」 
・オール5寸角の高野霊木(杉)の色がきれいな柱
・見上げて感じる、高野霊木(杉)の表しの太鼓梁
・割れの少ない梁桁(平角材)も、もちろん高野霊木(高野杉)
・左右対称、8寸角の大黒柱(東濃檜)と7寸角の恵比寿柱(高野霊木)
・それぞれ違う用途がある「4つ」のウッドデッキ(高野霊木)
・銅板の屋根
・笹目、虎目が美しい400年級奥の院の高野霊木の床柱(四方柾)
・階段にある高野霊木の支柱(二面柾)と芯持ち材
・香り豊かな「高野槇」のお風呂と脱衣所
・地元建具屋による木製キッチンと家具と建具
・畳下の根太と野地板も高野霊木(杉)

もちろん
100%国産材の。
 made in JAPAN である。



弘法大師空海(お大師さま)のご加護のもと、
僧侶でいらっしゃる山林部長と課長による、
高野山の尊厳護持に対するメッセージとともに、
また山林部主任をはじめ、自然をこよなく愛し、
森林セラピーや林業教室を展開するこの山林部課員の想いの結晶体なのです。

091221高野霊木之家
日本人の多くの方々の頭の中で、
このモデル建築と高野山の森が繋がって欲しいものです。
それが持続可能な1200年の森になると・・・。

ぜひとも、
世界遺産・高野山の森を体感し、
この地域モデル住宅に、お立ち寄り頂ければ幸甚です。


グランドオープンは
平成22年4月を予定しております。
伝え方も、新たに・・・。

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編集 / 2009.12.28 / コメント: 0 / トラックバック: - / PageTop↑
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Author:古川大輔
地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

⇒【連絡先】
株式会社 古川ちいきの総合研究所 
E-mail:furukawa@chiikino.jp

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