【沈まぬ太陽をみて】
カテゴリ: 本・映画・ニュース・メディア


先日、実は天竜でT氏に薦められたから見に行かねばと「This is it!マイケルジャクソン」を観に行こうと映画館へと足を運んだ。が、ついつい「沈まぬ太陽」が魅力的に見えて、そちらを観てしまった。3時間超えの映画。休憩のある映画で10分ほど中休みがある映画なんて始めてだった。



休憩はトイレさっさといかないと、すぐ映画始まっちゃうので注意です!


内容は宣伝どおり、


国民航空NALに勤め、渡辺謙演じる「恩地元(おんちはじめ)」とその家族を中心に、登り詰めるために手段を選ばぬ三浦友和演じる「行天(ぎょうてん)」との対比を描きつつ、人生とは何かを考えさせられるもので非常にテーマは重くて、苦しいものがある。


経営再建を問われているこの時期にというのもあるが、企業イメージをいま以上に悪くするという、JALからのクレームがあるのは確かにわかる。


しかし、


「白い巨塔」などからも分かるが、山崎豊子の独特の、権力とカネと欲とに、それに抗う「正義」の描き方との人間のドロドロしたところは鑑賞として、みてよかったと思うし、やっぱり渡辺謙と、鈴木京香という二人に、その夫婦のお役がピッタリであった。


団塊世代の「ニッポンの家族」の象徴でもある。


全体的に支配されたあの緊張感を鈴木京香や戸田恵梨香が癒してくれる。


場所は、
御巣鷹山、
東尋坊、
お遍路さん
ケニアナイロビも
極めて想い入れのある場所やシーンが多く出てくるので私には親近感もあった。


ただ、恩地(おんち)と 行天(ぎょうてん)という二人の男の対比と関係性の展開が、
それは非情にドラスティックであり、また、何か、もどかしくもあり、悔しくもあり、気分悪くもあり、観ていて、自分だったらどうする?と、一つ一つのシーンごとに考えてしまった。


映画館。


見渡してみれば、観ている人たちは、7割以上が私の父世代の団塊世代、それも夫婦が多かった。


日本の経済成長を牽引してきた企業戦士の卒業生が、いま、これをみて何を思うのだろう。


私は小学校のころのあの日航機墜落の事故がフラッシュバックするのが強くあの事故で亡くなった遺族なら見られないなと、自分の経験とも重なり、死の恐怖をもう一度身近に感じてしまう。


しかし、


あれだけの正義の憤り
あれだけの強固な欲望


は、いまどこへいったんだろう?


と。


20代の男が見てもその映画に、ピンと来ない、何かの「寂しさ」が残るのだろう。


いま「恩地」のような信念のある男はいるか?
いま「行天」のような欲望のある男はいるか?


恩地と行天が対極にあるとして、恩地度100%行天度0%恩地度0%行天度100%とは言わないまでも、


いまの日本には、それが腐敗だと気付いていない、不毛な腐敗があるかもしれない。


男の●●のなさ。


企業腐敗とか権力と癒着とかは、耐えぬテーマであろうが、
すなわち、「情熱」が消えたというのか。


かつては、
カネや地位に執着する「利益」への欲望の情熱
それに抗い、なんとしても日本男児たる「信念」たる正義の情熱


そういう両方(両端)の男がいたから、日本が日本であったのだろう。


私は、恩地と行天という、この象徴的な二人の類似点がよく見えたなか、団塊世代がみてきたその裏世界としてリアリティがあると、感銘した。


しかし、事実としては、いまの若者にはリアリティがないというのなら悲しい。
恩地にも行天にもなれない男たちが多くなったことが問題かもしれない。


なろうともしないのは、
人生の不条理、企業の不合理、そういった原体験が少ないのかもしれぬ。


でも疑似体験ならできる。


だから「映画」がある。


この「沈まぬ太陽」をみてもっともグっときたせりふを一つだけ。


「あいつらの目が死んでるのは、自分で獲物を獲ってないからだ。」


ドキっとした。是非、映画館でご堪能を。
最後に。


バランスよくいきようなんて人間には無理で結局、Aも極限までいって、Bも極限までいってそんな偏った経験がある人が始めてバランスって何か、なんてことが言えるのかな、なんて思う。


それでも、この映画を観終えると、最後に残るのは、結局、「家族愛」というテーマがずっと残るように思う。


私だけかな。


昭和20年生まれの、亡き父と見に行きたかった映画、かもしれない。



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本日の学び

「さすが委員長! いうこと、いちいち正しい。」


「会社を変えたければ、力を持てということだ!」


「あいつらの目が死んでるのは、自分で獲物を獲ってないからだ。」


「マスコミはね、箸の上げ下げまで口を出してくる、いちいち気にするな。」


「This is the most dangarous animal in the world」


「未亡人っていやですわ、未だ死なない人ですもんね」
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編集 / 2009.11.16 / コメント: 0 / トラックバック: - / PageTop↑
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地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

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