【20年前の構造材の化石!?】
カテゴリ: 森林・林業・製材・材木・住宅


支援で浜松へ。赤い電車遠州鉄道の西鹿島駅を降りる。「今日
は、葉枯らし材市だよ」と迎えに来てくださったNさんにいわ
れ、「だったら見てみたいから寄ってもいいですか?」と寄っ
てくださった。

静岡県森林組合連合会 天竜営業所。時期的には遅い。一般的
には、季節の動きにあわせて、11月の旬の時期に伐採し、3
ヶ月間ほど葉をつけたまま、山で寝かして乾燥する。木とは、
伐採されていても生きているわけで、葉が付いていれば、まだ
生きようと光合成をしようと、材に残った水分を吸い上げやす
くなるのである。特に杉は水分が多いので、この葉がついたま
ま山で約3ヶ月じっくり乾燥してから出荷する。これを葉枯ら
し乾燥といい、より美しい色合いが出やすくなったり、狂いの
ない材ができやすくなる。

対して、短納期対応のため、すぐに出荷し、製材し、石油燃料
による釜での乾燥方法も最近は増えているが、どちらにもメリ
ット、デメリットはある。ただし、老舗の林業地域で「こだわ
り」があるところはいまでも葉枯らし、天然乾燥は欠かせない。


今回5月に市場があるのは、2月ころに伐採してから葉枯らし
乾燥をして出たもので、一般的な時期よりずれているらしいが
所有面積の大きな大山主(山林所有者)が動いたことによるも
のが多いと聞いた。


さて、1万坪くらいの敷地に山積みにされているたくさんの丸
太。丸太を見ただけでは、まだ葉枯らしをした材とそうでない
材の区別は私にはできぬが、その土場の木を一本一本みて歩き
、Nさんに色々教えて頂き案内をしていただいた。その後、会
館(建物)の中にも入った。

さすが、地元の木材をふんだんに利用した2階建ての大きな木
造施設は、構造部をはっきりと見せた造りに、じっくりと見入
ってしまった。


「あ!」


と発見である。Nさんが、2階から見上げる5m先の天井へ
のつなぎの構造材(柱)で、と逆さまに自社の会社の名前が
刷ってあるのを発見したのである。築20年くらいのこの建
造物であるそうだが、自社の名前が入っている材を発見した
ことに2人でこのサプライズを堪能した。


確かに、林業製材業は。部材屋、請負屋というイメージが否
めない。せっかく出荷時には社名やロゴマーク(エコマーク)
が入っていても、木材製品は建築物として施工されるときに、
たいてい(ほぼ100%)削られて、見えなくなる。これで
は一切消費者ブランドにはなり得ない。


これは、たまたま残してくれたのか、忘れたのか、施工を楽
にしたのか。あえて残せといったのかわからぬが、ありがた
さを感じた。


屋根裏の構造材に大工さんが名前と日時を書いたりすること
があるが、今回の発見は、嬉しかった。それは、特にNさん
はまだ31歳。自分が小学生のころに建った建物に、いま働
いている自社が、当時に山から直接仕入れて、製材して、販
売していったゴールとしての建築物(それも静岡県森連の営
業所)に「社名マーク」の存在を今しったのは嬉しいことだ
ろう。もちろん私も時の流れの重みとまた木造文化の味わい
を感じた。


当然、その構造材ができるまでには、植林の背景を考えるに、
施工時の20年前ではなく、製品になるまでに、5~70年
の育林の時間もかかっている。建築の構造材にも無垢の材の
よさ。ちょっとした存在感。二酸化炭素を吸収して、育ち、
そこに固定されて、建築物として生きている。


そこに、生き続けている。  そして今がある。
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編集 / 2007.05.09 / コメント: 0 / トラックバック: - / PageTop↑
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Author:古川大輔
地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

⇒【連絡先】
株式会社 古川ちいきの総合研究所 
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