【実態は逆です 東濃檜】
カテゴリ: 森林・林業・製材・材木・住宅
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■岐阜県産杉⇒大型トラックで出荷

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■東濃檜の化粧柱(美しくキレイで丈夫です)
5寸角4m

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■加子母小学校(木造の暖かい建物)
「こんにちは!」の子どもの笑顔がかわいかった。





「実態は逆」

これをいうのに多くの言葉は要らない。市場データ行政データ
とは異なる「実態」とは、ひとりの経営者の強い情熱に支えら
れた目に見える現場とその現実の数字により一気に覆る。常に
新たなことにチャレンジし続け「実態」を提供する経営者に出
会った。


紹介の紹介の手綱をたどり、ついに出会えた。木材流通拠点の
協同組合Tの理事長K様。経験少なきこんな無名の若造に、丸
一日、東濃地域(恵那市、中津川市、旧加子母村)の山、製材、
住宅を案内して頂いた。



「古川さん、この人には絶対会っておかないと。
     あなたが恥をかく。
       私のほうから電話して、紹介しておくから。」


実は、先日出会ったTさんから紹介をしていただいたのである。
ここのところ急速に、多くの仲間、業界のキーマンに出会えて
おり、紹介を通じて増えている。そのうちの一人が恵那市のK
さんだった。


「携帯電話を教えてもよいっていってたから教えるね。古川さ
んから電話してみて。」とTさんより頂き、そこからは急展開。

やはり成功している経営者というのはいつも思うが即実行、ス
ピードが速い「聞いたよ、いつ空いてる?じゃぁ4日後の27
日ね」と一瞬で決まったのである。


Tさんいわく「Kさんと古川君との出会いは楽しみです。あな
たは僕をスゴイというけれど、Kさんは僕の何十倍も何百倍も
すごい人だからね、余計な詮索などせず、正面から、正直に思
いっきりブチアタッテくださいね。玉砕しても大したことでは
ありませんし笑。」


とメールを頂いた。恵那駅に迎えに来てくださったKさんに対
し、やはり緊張と萎縮が自分の中でもあったが、すぐ紹介して
いただいたTさんより携帯電話があって「2人が出会うのは羨
ましいね」と電話が来た。

私も「もしかして後ろの車からおっかけて来てますか?」

というと

「いや、屋根の上に張り付いてるぜ」

と遠方よりの携帯電話で空気を和ませていただいた。


Kさんはこの電話を切るとスグにこういった。


「僕はTさんのおかげで色々と人脈が増えまして、彼はホント
にすばらしいでしょ?おもしろいでしょ?」とお互いを称えあ
うその2人の経営者の関係性に羨ましくも想い、また何故私が
ここにいるか、その意義を根彫り自分に問うかたちの一日もな
った。


「僕はもともと東京育ち、24年東京足立区の下町育ちでね、
東京がいやで、空気も悪いし人も多いし、それで恵那に来た。」

と私にいう。


東濃地域の製材メーカーを束ねるボスでもあり、全国に販路を
持ち、全国各地の大工、設計士、工務店に対して「住まい塾」
を提供し、構造面、健康面、ローン面、地球環境面などあらゆ
る角度から研究をした結果を、ゲスト講師を招いたりしてその
塾を充実させてきた。地場の木材利用を促進するのみではなく、
その使い方をもアドバイスし続け、はや10年。

その勉強会も板が付いてきたという。大工や工務店の2代目が
弟子入りに来るが、勉強して戻ると、ここの東濃檜を注文して
いただける関係性がそこに生まれている。業界下向きでも全然
上向きである。

材木屋、建材屋、住宅設計、工務店も手がけ、年商28億円の
企業(組合)のトップでもある。全国各地から視察や勉強にこ
られる人は数知れず林野庁の審議会の委員も勤める。

なお40代で、宅建と建築士の資格ををとり、現在は50代で、
東京大学大学院の修士課程を経て、いまは博士課程在籍中
である。


出会って10分である。「君は大阪(東京)から出ないの?い
いよ~ここは。」とついてくる。私は経営者と出会うときに、
売上、利益率、会社員数、など事業規模を最初に聞くことはな
い。過去にどんな好きと憤りがあり、現在に至り、利益と理念
のバランスをどうとっているか、そこに興味がない。

しかしそれがすべてにわたって私の理想、いや理想を超えた力
強き(情熱)×(知力&体力)を持ちえながら「理念と利益」
のスジが通っていらっしゃって、10分もすると、出会えたも
のの私がまともに話しをすることが出来るにはまだまだ足りな
いと痛く刺激を受けるほど、出会えるだけでも恐縮であった。


そもそも、東京が嫌いで出てきたというのも、あとからじっく
りとお話しを頂くと、ズサンな経理をしていて潰れそうになっ
た両親の実家の商売を助けることから始まったと知る。大手文
具メーカーの営業を1年少々やったあとに、親の実家の岐阜県
恵那へと東京から行く。

建て直しに力を入れようといざ向かったもの、実態はあまりに
ひどくこれなら東京に戻ろうと決めたそうだが「私の思うよう
な人事配置をしてくれるならば、やります、おじいさん」とい
い放ち、還ろうとした。

今でも忘れられないスタートだったそうだ。

祖父は私の言うとおりにし、兄弟関係をやめさせ、彼が動きや
すい環境を作り、事業再生をしたのである。


「最初の10年は利益しか考えなかった。」


助手席に座る私に対して、岐阜県広域における新生産システム
の現実、県産材、認証材の現実、林野庁(国有林)伐採の現場
など、目で見て、力強く語られ、大いに私の刺激となった。


自ら木屋(建材販売)でありながら、工務店機能も持ち、奥様
が家具デザイナー兼一級建築士でもあるが、年間10棟以上は
やらない、地元の工務店と食い合い(カニバリズム)になるこ
とはしないのである。



「僕らが地域の工務店、大工をつぶすのではなく、
 一緒に木の正しい使い方をわかって欲しいから
活動してるんです。」


「私は、工務店、大工はパートナーです。
   設計、施工のプロフェッショナルを育てて
          一緒にこの世界を気づいていきたい。」


材木屋が主導権を握るには、単純である、その使い方を正しく
勉強し、正しく見聞を広め、正しく伝授し、そしてそれを多く
の人に共有し、理念がそぐうものに東濃檜を販売するのである。

米を食べなくなったから田んぼを減らすのではなく、時流に適
応した形で、かつ本来あるべ姿の米の食べ方を自らが勉強して、
それをメーカーや中間ユーザー、消費者へ啓蒙しながら、お米
を販売している。そんなイメージである。



「実態は違うんだ。」


行政機構、政治機構、宗教問題、為替経済の話しから、建築設
計の世界まで、山と製材と住宅を見ながら一日お話しを頂いた。


「利益も理念もバランスだよね、でもね、最近、僕のことをね、
趣味ばっかりだねって言われる。その通りでね、私がやってい
る実験住宅(省エネ、結露なし、健康素材)も趣味だか仕事だ
か笑。でもね、経営者で一番大切な責務とはね・・・。



「社員、そして社員の家族を食わせることなんだよ。」


何がそこまでさせているのかあまりに完璧でカッコよすぎる目
の前の社長に尋ねた。「もちろん人情だけじゃ食えないのさ。
人を見る力も大切だ、その中でも、リスクを背負ってやってこ
れるかどうか、それだけじゃないの?」と力強く私のココロを
突き刺すお言葉をいただいた。そのときに、突然、ある一軒の
家について車から降りた。



「おとうさ~ん!」


畑仕事しているおじいちゃんである。Kさんの会社が手がけた
住宅で、最近、1年前に完成した家に挨拶だ。そのおじいちゃ
ん、農作業をやめてこちらに挨拶をしてくれた。


1)灯油使用量が半減、2)冬も暖かい 3)結露もしない
そんな声があがってくる。「ありがとう」家は売りっぱなしで
はない、こうやって、何よりもお年寄りの方がトイレに行きや
すくなったとか、灯油が減ったとか、住みやすいよ、とそうい
う声を聞くために僕らは仕事をしている。コレが一番嬉しいと
おっしゃるなかで



「いや~、Kさんの子(社員)さんもよくくるよ、 
        ありがとうね。ほんとあったかいよ~。」


と社長のみならず、社員がたまに近くを通ると「おじいちゃん!
どう?」と声をかけているのである。


「やっぱり、
 僕じゃなくて、お客さん、そしてあなたのようなひとが
   僕らのことを言ってくるのが一番嬉しいことなんです」


拡大ではない、地域全体の活性化があって然りの会社である。
森林林業白書のデータも頭の中にインプットし、省エネ健康住
宅の進化に見受けてあらたな建築施工の勉強もし、そして、外
向きの勉強会や講演を通して、情報を発信する。


ありがとうございました。ずっと辟易してしまった私に対し
てすぐあとに携帯メールがきた。


「今日は遠路ご来訪頂き有り難うございました。何か参考に
して頂ける事があれば良いのですが趣味か仕事かが解らない
状況ですが地球環境と21世紀の地域にあった住宅の形を模索
しています。今後ともよろしくお願い申し上げます。取り敢
えずお礼まで!」と。道中案内中ビビっていた自分が恥ずか
しくもなり、こんな優しさにも出会え、また嬉しかった。


「僕が元気(売上をあげている)な理由はわかるよね?」


その先のことはここに書かなくてもよいだろう。その笑みは、
過去も未来も、理念も利益も、トータルに美しいバランスがそ
の経営者の中に見えた。その情熱が私にも伝導してきたいい
よき一日だった。

出会いから一歩また近い関係になれるようになりたい。
感謝。
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編集 / 2007.04.27 / コメント: 0 / トラックバック: - / PageTop↑
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プロフィール

古川大輔

Author:古川大輔
地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

⇒【連絡先】
株式会社 古川ちいきの総合研究所 
E-mail:furukawa@chiikino.jp

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