【木曽檜に出会う。】
カテゴリ: 森林・林業・製材・材木・住宅

木曽檜の産地である木曽地方というのは岐阜県でなくて長野県
というのは実は恥ずかしながらこの仕事を始めてから知った。


今日は、先日の11月5日の日報に書いた「子供に伝えたいイイ
話」の作者に直接会いにいった。木曽檜(木曽さわら、木曽ね
ずこ)などを中心に販売している製材&建築会社の社長柴原様
である。(ありがとうございました!)

木曽檜とは、木曽という漢字を足すと「檜(ひのき)」と似て
ることにあるよう、檜の主産地であり、日本三大美林のうちの
ひとつであり、銘木級の銘木として知られる。①樹齢②年輪密
度③目合色合④香り⑤大きさ⑥地域文化⑦気候土壌が一般の林
業地域と全く異なる。いわゆる高級品である。江戸時代には伐
採禁止の命令が下されるほどにも重宝された。


20年に一度の大祭りである、伊勢神宮の式年遷宮には毎回、
材を搬出しておられる。数百年級の巨木の檜を伊勢神宮へ運ん
でくる姿は圧巻であり、今度は第62回にあたり平成25年に
行われる。すでにポスターもある。南木曽木材さんは神社仏閣
など日本の著名な文化的建築物に納材されており、また高級寿
司屋のカウンターにも多く材を提供されている。とあるIT社長
が南木曽木材さんとは違う近隣の材木店から、木曽檜の3~4
00年級の柾、両面無節、8mの一枚カウンターをキャッシュ
で1億5千万円で購入したともいう。払った値段も値段だが、
それを提示した材木屋さんもスゴイものである。


またこの南木曽(なぎそ)には国重要文化財にもなっている建
物がならぶ旧中山道宿場町である妻籠宿(つまごじゅく)とい
う観光名所がある。両側に歴史的建物がある町並みの景観は非
常に有名だ。南木曽木材はそのスグ裏側にある。「あぁこれが
日本だ、美しい日本だ」と思うのが私の初感である所感だ。



しかしである。



いまや観光客も減り、年間100万人を超えていたが、実はいま
や70万人台になったという。観光客も外国人はまだ多いが、日
本人の若い女性などはかなり激減した。古い町並みといえばこの
木曽路の妻籠宿(おそらく写真を見ればあ~あそこかとなるだろ
うが)は、飛騨高山や飛騨古川にお株を奪われているようにも思
う。周辺観光としては、岐阜の下呂温泉のついで程度にくらいに
思われてしまっているという。


木曽檜も然り。全盛期の5分の1ほどの市場だという。

在庫はたくさん眠っているものの利益にならない。吉野杉と
まったく同じ状況である。若干専門的になるが、「木曽檜」は
天然林であり、「吉野杉」は人工育成林であるという点ではあるが、
それはほぼ関係ない。初めて天然の木曽檜と人工(といっても80
~100年くらい植えて育てた)の木曽檜の違いを眼で見てきた。
確かに、目合いを見れば異なるが、人工の木曽檜も他産地の檜に
負けないはど、さすがの立派な目合いであった。ただし、どちら
も売れない現実。吉野と似ている理由がある。



「アグラをかいてきた」それである。


ここで東濃檜(とうのうひのき)というブランドの話をしたい。
このスグ木曽の近くの中津川・恵那周辺から生まれた檜である。
しかしこの地域材は「ない」のである。

作り上げた商材である。実は、「乾燥二度引き」という加工を施し
出荷する材を東濃地域で創ったことにより東濃檜と命名した。
結局は「東濃檜は、産地材ではない」という声も方々からあるが
それよりもしかし、その地域で、精度高き加工と厳密な検品
が行われた結果、流通改革も行い、「東濃檜」となり販売していき、
ブランドとなったのである。

そこで、東濃檜は、近隣の木曽檜がアグラを書いている間に、
加工精度の向上、販路の拡大、販促営業の実施を施し、名古屋
商圏では、知らぬものは居ないほど「消費者ブランド」となった。

業界の知る人ぞ知る銘木ではない。ただしマーケティングとしては
基本である顧客(工務店、施主)志向を追及し、恵那や中津川地
域では一条工務店などの勢力が強いが、この東濃檜を使った、家
も多く、人気があるという。


「材木屋ってホントいいかげんでした。」

1本切ってくるだけで数百万円が入ったりした時代もあれば、
最近ではあまり勘定しないで材木を出していたら、実は粗利益
がマイナスだったなんてよくあるのだ。

そして柴原社長のお話には、それに対して、木曽檜の主産地
としての誇りを元に山を守るという信念あるお話を頂き、たくさ
んの素晴らしい木曽ヒノキを見せていただいた。


どうやったらこの世界が盛り上がるか。お互いにビジネスモデ
ルやお互いの人脈を繋げて可能性あることを考えた。

材木を消費財へ
部材を住空間へ


ふと思ったのである。


「日本の山、日本の林業も、メソポタミア文明になっちゃう」


文化的だ、文化的だ、大切だ、大切だといってもである。滅び
には二種類ある。使いすぎて滅びるのもあれば、使われずに滅
びることもある。結局人の欲求性や必要性の波に乗らねば後者
は消滅する。全社はそれを制御しなければ消滅する。何故文明
は滅びたのか、その話を究極に突き詰めると、日本三大美林も
○×文明といわれる日も近い。


吉野杉文明、木曽檜文明。


このままでは悲しき文明になってしまう。しかし具体的提案は
たくさんあがっている。動くかどうかに尽きる。柴原社長に、
色々と教わった、ありがとうございました。



帰りの電車で偶然後輩のSさんに出会った。
船井総研では出張の道中に社員と空港や新幹線で出会うこ
とも多い、そんなカレとビジネス&理念トーク。カレもすごく
頑張っている。

「古川さん、目が据わってませんか、大丈夫ですか?
今以上にもっと熱く走ってくださいよ!」


業界の大先輩である柴原社長はもちろん、
会社の後輩にも背中を押された。
今日一日ありがとうございました。


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編集 / 2006.11.27 / コメント: 0 / トラックバック: - / PageTop↑
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Author:古川大輔
地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

⇒【連絡先】
株式会社 古川ちいきの総合研究所 
E-mail:furukawa@chiikino.jp

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