【お金と正義(神田昌典)】


「お金」と「正義」(神田正典)上下巻、一気に読んだ。吉野
から東京へゆく道中、2冊で合計4時間半くらい、周りの世界
から遮断された本質の底流世界に陶酔させられむさぼった。

私が常に、理念と利益 といっているテーマと同じ題名だ。お
金が利益、正義が理念である。松下幸之助は経営の神様とあが
められたが、エアコンを大量生産して地球温暖化に寄与した悪
とも今は考えられる。正義と悪魔は表裏一体、あの時良いとし
たことが今は悪。善悪の基準はなに?歴史上の事実からの深い
深い人間の本質えぐる小説でもある。


1ページ目を開き、言葉を失った。実は、恥ずかしながら自分
が大学院時代に書いたプチ小説とスタート部分があまりにシン
クロしていた。羅生門的な世界と近代世界の破壊、残された人
間という存在。

小説家でない経営コンサルタントが書いていて婉曲表現や情景
描写がちょっと唐突で素人感が漂うが、スピーディーで刺激的
な展開は躍動感がありすぐにページをめくってしまう。そして
神田昌典の知識量、経験量を彷彿させられるたくさんシーン、
そしてわかりやすいメッセージが幾シーンにも傍点つきで登場
する。映画化されるんじゃないかなと思う。

なかなか面白い。

船井会長のいう「素直」「必要必然」の解説がロジカルに書い
てある。表層的でない底流にあるこの世のルール。真実そして
虚構。資本主義と二極化、環境問題とお金、IT成金とフリータ
ー、精神世界と現実世界とのハザマのストーリー。成功と富裕
とは何か・・・。


「だから、僕はアオウミガメを守りたいだけなんです!」


この一言がもし最大のテーマであるとしたら、そこまでの全背
景は神田正典でしかかけないような内容である。このシーンは
廻り廻って出てくるが、ホロっと自分の心の奥にきてしまう。

SF小説のようで、ミステリー小説のようで、ビジネス書のよ
うで、宗教経典のようで、官能小説のようで、いままでにない
ビジネス書と小説の垣根をなくした刺激的な本である。

正義かお金か
というよりも、
資本主義とIT技術の成長スパイラルをもった我らは、さてこれ
からどこへゆく? というテーマのほうが強い。なかなか考え
させられる・・・。ちなみに、涙もろい人は結構グっとくるか
もしれない。お薦めだ。
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