【農林業の実質価値46兆円】
カテゴリ: 理念と利益
【農林業の実質価値46兆円 農業工学研が試算】
(朝日新聞)

農工研にいる僕の先輩の、Nさん、Kさん、ほかみなさん、勝手なこと
いいますが、ごめんなさい。

その数字は、利益なのか理念なのか。
これが、なんのための、46兆円かを考えてみた。

まず、確認だが、この46兆円は、生産物の出荷による市場規模ではなく、
環境維持、災害防止など生産以外の農林業を取り巻く自然としての価値
をも含め、それを貨幣換算したものである。

では、何かの市場規模と比較して考えてみた。

例えば、平成14年のレジャー白書によると、日本の余暇市場89兆円のうち、
パチンコ業界を含む娯楽部門の市場規模が55兆円であるからそれに近い。
また、今年度の国家予算が82兆円だから、その約半分くらいになる。

なるほど、すごいお金だ。と、なんとか経済中心のこの時代に、産業として
だけではない農林業の経済的価値を、見出そうと、数値化しているのだ。

しかし生み出されるキャッシュフローという利益ではなく、理念を強引に定義
した利益にすぎない。

また、
平成13年11月に、日本学術会議が農林水産大臣に答申した「地球環境・
人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価」では、年間
70兆円と試算されている。すごい価値だ。

さて、実はこの数値の根拠、それが、意外と「え?」であったりするのだ。
例えば、私が去年、東大の特別講座で聞いたのだが、例えば、生物多様
性の価値の推定試算方法は驚くべく方法だった。

「この○○という動物たちが、動物園でいると仮定した場合の、
                           上野動物園のえさ代!?」

強引もここまでくると滑稽である。これが生物多様性の貨幣価値換算の
現状である。また、水田の貯水機能というものがあるが、その貯水量分の
ダムを作ったらいくらになるかという計算で、その価値を算出している。
こちらは妥当なのか。

まとめたい。

この程度の算出方法によってでた実経済とは別世界の架空利益に頼
らなくとも農林水産業を取り巻く環境、森林、海、山、川、生き物、につ
いて、みんなが大切に思って、壊さないでいて欲しい。

金銭換算しなければ評価されないというのは、病んでいるということだ。
確かに、農林業の多面的機能は大切な事実だが。たかだか46兆円。
パチンコと同レベルなんて寂しい。

では意味がないのか、いや意味はあるとしたい。


A 46兆円という価値世界からうまれた、農家の手仕事としての「100円」の野菜。
B  太陽と土と水という自然の恵みと、農家の手仕事としての「100円」の野菜。


どっちの表現がいいのだろうか。

そう考えるために、この数値を、使おうとするならば、46兆円という試算化は
意味があったと考えたい。ちなみに森林の多面的機能の70兆円。
1haあたりいくらかわかりますか?それに1haに60年育てた杉檜がいくら
になるか知ってますか?理念上の数字と経営上の利益とのギャップにかな
り驚きます。



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編集 / 2004.07.11 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

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