【古いこと、新しいこと (超長伐期林業と伝統工法】 
カテゴリ: 森林・林業・製材・材木・住宅
【古いこと、新しいこと 】 


3日あっという間。
金曜は、経営実践研究会(国産材ビジネススクール)、
土曜は大阪で「森の仕事ガイダンス」、
で、日曜。

「文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議」
が主催となったシンポジウムに参加しました。

かつて金剛峯寺山林部がこのメンバーとなっていたことから、
この会議(グループ)に、お世話になったことがあります。

今回のテーマは「長伐期施業への挑戦」というテーマでして、
近年のいわゆる「効率化林業」とは違う、日本ならではの、
文化的な背景も含め、200年、300年の人工林の林業とは、
どうあるべきかというテーマ。

宮大工の鳥羽瀬氏。哲学者の内山節(たかし)氏。
林業家の速水氏。
元林野庁長官・日本森林技術協会理事長加藤氏。
森林総研の千葉氏。
東大名誉教授有馬氏。

など色々な方のお話を拝聴できました。

印象的な話は3つ。


なお若干、私の考えがはいっているので、諸先輩のお話が
正確な正しい内容ではないかもしれませんがご了承ください。


【1】

ひとつは尾鷲の代々の林業家。9代目速水氏がいったこと。
「超長伐期の世界は収益性を考えてやってやるもので
はない!」といった言葉が印象的で、最近は15年生のヒノキ
林の小皆伐で1500万売上があったということから、超長伐期
と実験山(収益山とビジネスモデルとしての開発山(たとえば
複層林の挑戦と失敗)等の多様なチャレンジの先にある世界
だということが1つ。

【2】
ふたつは、宮大工の鳥羽瀬氏。教育プロセスにおいて、あるいは
技術過程において、「在来工法」というものが、近代のモノであ
るという説明をして頂いた中で、伝統工法の衰退とその未来の不
安を、各種、構造計算や確認申請、また省エネ法改正において、
増える「いわゆる無駄な作業」について具体的に解説。ある物件
(文化財クラスの古民家)の再建においては、320ページにわたる
構造計算書を見せて頂いたが、ショック。ここまで必要なのか。
コンサルの仕事をしているから私もわかるが、そこまでペーパー
が必要なのかという世界に愕然。林業も補助金業務が多いがその
ペーパーを書く人材の人件費を現場技術者に回したほうがいいと
(本当に思う)



【3】
最後は、懇親会において、有馬先生のスピーチが、心に残っ
たので紹介いたします。

1)「決めると決まる」

伝統工法に対する風当たりの悪さは、神戸の震災以降に構造計算
はじめ、各種法律の壁が増えているが、いまは「決める必要がな
いことも。定量化しろと、決めている。」確かに最低限の説明に
おけることで「決める」は大事だなと思うが、実は「決まるところ
の世界」というのが大きい。目標林型なんていうものは、一度、
設定するものの100年後200年後、本当にそうなるかわからない。
自然と、決まっていくものなんです。無理に決めなくていい。
決まっていくんだから。決めること、決まること。(だから、実際に
動くことの大切さを伝えたい、有馬先生は2haほど、仕事関係で
お世話になった都城で山林を所有し、毎年毎年、自分ひとりで手入
れをされている。)


2)「イチとゼロの世界 ~想い~」

また、「決まるところの世界」というものは、
4:6の世界なのか、3:7の世界なのか、2:8の世界なのか。
という比率ががあるということ。この判断は、ものすごく大事で
あって、すべてが正しいということはない、この比率が刻々と
変わっているということを現実に認めなければならない。かつて
はイチとゼロだった。長伐期にするか否かとか。だからこそ、
経済的でないとしたら、近視眼的になることなく長期的な視座で
やるにはやはり「『想い』がある人しかやるしかない」と感じて
いる。(林業には、高尚なる長期的趣味といった世界もある。)


3)「壊れた事実、残った事実 」

神戸の震災でたくさんの建物が倒れたが、木構造の専門として、
壊れたのは「論外の建物。」しかし何故できてしまったか。残った建物
がどうだったか。もっと検証せねばならないし、なぜ伝統工法が
残ったといえば、ちゃんとそれを証明しなければならない。それは
ちゃんと理屈に合って残っている。例外なく、そうだった。
確かに「想い」からであるが、情緒によるものだが、もちろん
理屈が大事であり、論理的な部分が確かに積み重なっている実感
もある。「自然災害はしょうがない」といいきるテレビが多いが、
そうではなく、「耐えられるか」というのは、そういうことでない。
事実があることをもっとみることが必要だ。

とお話しされた。それでも、専門家だけの狭い世界にならないよう
にと、今日は、法律や金融の面、所有権と管理委託についてなど、
色々な世界から考えねばならないと、私自身の課題も見えました。


そして、
最後に。もうひとつ、別途で、速水氏の言葉がありました。

「超長伐期といえど、あくまでも自然の一部、時間の一部」


速水氏の講演で写真をみせながらあったが「1000~2000年クラス
の木が世界には、たくさんあることから、長伐期といっても、あくま
でも自然の一部であり、一部の時間を切り取るだけである」という。
どんなに長伐期をやっても雷に会い、自然への畏敬の念を忘れずにと。

素敵ですね。
以上、
皆様に簡単にご報告でした。
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編集 / 2015.01.25 / コメント: 0 / トラックバック: - / PageTop↑
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Author:古川大輔
地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

⇒【連絡先】
株式会社 古川ちいきの総合研究所 
E-mail:furukawa@chiikino.jp

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