【森林の利益と理念】
カテゴリ: 森林・林業・製材・材木・住宅



お金(利益)があって環境(理念)か
環境(理念)があってお金(利益)か


ヒアリングをしてよく分かることは、やはり
お金がないと環境のためにもなにもできないということです。


まず森林について。
森林なんてどこでも一緒じゃぁありません。よくみると一生懸
命手を加えて一本一本苗を植えていった森と、自然放置で勝手
きままに生えている森とありますし、同じ杉という樹種でも、
全国各地で性質が違います。もちろん、人間と一緒で一本一本
と同じものはありません。また、伐採の仕方によっても山は変
わります。間伐か皆伐か。その後の植林状況によってもまた山
が変わります。人間と一緒です。


ただしここは共有地ではありません。ほとんど民有林です。も
ちろん国有林もあります。ただし殆どが人のものです。すなわ
ち個人の所有物です。コモンズ(共有地)ではありません。だ
から個人の自由でそのタイミングとニーズに合わせて伐採して
お金にします。

だけど、やっぱり個人の所有物でもありますが山はみんなのも
のでもあります。保全しないと下流域の住民に迷惑をかけるか
らです。それが環境価値です。しかし、そんなこといってられ
ませんというのが現実。

明日のお金が欲しいために所有者が伐採をして、お金に換えて
再造成林しないところも増えているんです。それを他人がどう
こういう権利は正確に規定されていません。実際には森林法な
どありますが微妙な編だらけです。法を無視して外部業者が入
って勝手に山主さんと裏契約をし伐採してしまっていることも
あります。


「伐採したら、その後は、
          環境のためにまた植えていってください」

とはいいますが、また自己負担しなきゃいけないし、また50
年後のためにお金にならないからと投資する気持ちもおこらな
いのが現状です。戦後は金になるぞっとせかされて造林しまし
たがいまやお金にならないので騙されたといっています。それ
が実際です。所有者に厳しい縛りは現実ありませんから、例え
ば、株だったら、もう下がる一方だからいま売り抜いてしまえ
と思う気持ちも分かります。


ドイツの農地のように、芝生を放置していると行政が入り、行
政職員が芝を刈って景観条例を破ったとして、農家に金を強引
に払わせるというしくみも日本の森林にはありません。別に、
景観のためにやっているわけでも環境のためにやってるわけで
もないし、その価値を都市部の人が享受しているという認識も
ないからです。しかしそうはいっても山が荒れると町も海も荒
れます。こういう一般教養が段々増えてきてうれしいのですが、
やはりお金も必要です。こういうところに税金が「キチント」
回ればいいのですが、東京のヘンテコ銀行さんは、巨額な赤字
補填ができるんですからね。不良債権の圧縮も国レベルででき
ちゃう不思議な国です日本。石原さんいま痛いところです。

話し戻りまして、所有者メリットが経済的に感じられなくなる
と、どうなるでしょうか。環境へ目を向けるしかありません。
というのもどうでしょう。

それでは単なる理屈付けであり、逃げだと思います。

利益になる山があるからこそ環境にも着眼できて行動に移せる
のです。その手法はひとつではありません。色々あります。

また、伐採後、放置していてもまた自然(牧草から低木)に戻
るのですが、これを意図して自然に帰そうとしているのか、も
う植林(杉檜に限らず)するにもお金がないからただ惰性的
に放置しているのかわかりませんが、それも所有者の意志によ
るのが現実です。

そうはいっても今後、何もしなければ収益において未来のない
森林は廃れていき、管理をしなくなり、土砂流出を助長したり、
水を守る機能が弱まる、これは事実です。

夢を持って20年50年単位に目を向けて山をもたれている方
とそうでない方と分かれています。森を見れば分かります。き
ちんと手入れをして自信のある山主さんはそれ以上に環境のこ
とも考えています。

個人最適ではない地域最適な持続可能な森林経営こそ、実は全
体の利益最大化につながり、かつ環境保全にもつながっていき
ます。俺の明日さえ儲かればイイやというのは結果的にうまく
いかない。それをどう証明するか、数字だけではない世界もあ
ります。

どっちがどっとちということはないのですが、いまようやく「
環境的機能」に注目されています。片手落ちではなくて、お金
にもして、環境としてのPRもしていく。どっちも正々堂々と
できるのですから、すばらしい世界です。

たいていの産業は利益を上げるほど地球環境にダメージを与え
ますから、自然産業の本質は個人の所有権と環境(コモンズ的
概念)と色々とエゴとエコが交錯する面白い世界なんです。

もっと単純になりましょ。

そう。
林業の本来の顧客接点は「家」や「家具」や「観光」なんです
ね。体験させてあげて、また製品として商品としての価値を高
める王道から逃げてはなりません。それを忘れずに・・・。

ゴダゴダ書きましたがいったん法律、経済、環境、実際の現場
という視点でキチントまとめたいですね。

山崩壊
台風で崩壊した山
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編集 / 2008.03.11 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

⇒【連絡先】
株式会社 古川ちいきの総合研究所 
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