【過去の回想、人は神になる】
カテゴリ: 本・映画・ニュース・メディア
坂之上の雲より。


過去を回想するとき、人は神になる。このフレーズにビクっ
と来たのは、「わかっちゃいるけどつい言っちゃう」という
虚栄心ある人間の本質を付いている。以下は、坂の上の雲で、


「ロシアの大蔵大臣ウィッテは、日露戦争を予想した。その
敗戦も予想した、とウィッテ自身、その回顧録で語っている
が、そこまでは信じることができない。過ぎたことをふりか
えるとき、人間は神になりうる。こうなることを私だけは知
っていたのだ、と当時の渦中の当事者がいうほど愚劣なこと
はない。」

身に染みる文章であった。阪神大震災も中越大地震も、某研
究者で「私は予想していた」というモノがでてきた。しかし、
さすがに、今回の福岡沖地震は、でてこない。その後それは
と躍起になってか、政府の地震調査委員会は今日「今後30年
以内に、確率26%以上で、震度6弱以上の地震が起こる場所」
を発表してきた。なんだその確率は!?そこで、

長期確率について、報告書を見てみたが、対数正規分布、ガ
ンマ分布、ワイブル分布、指数分布などの確率統計モデルに、
過去の地震記録(平均隔年数など数値)を当てはめて、予測
するという方式だった。その確率分布のうち、最も、確から
しいと判断したものを採用しているが、その辺りは勉強不足
で根拠がよくわからない。

ただ、数値の出し方にある程度納得はできたものの、だから
どうしたらいいのさという具体的アクションに結びつかない。ま
た、たいした恐怖心も煽ることはできていない。

未来に向けて、結果的に過去となる処遇を予測して、あてよ
うとしていることに主眼を置くのは、それは、司馬遼太郎の
いう「愚劣」な行為に見えてならない。それに対して、数値
的な処理のいらない、感覚的な、言葉がある。「備えあれば
憂いなし」。地震対策、それでいいじゃない。


「人は過去を振り返ると神になる」すばらしいウィットである。
そういえば司馬遼太郎はこういう、揶揄には機知で返せと。





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編集 / 2005.03.23 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
【実質的と哲学的な回答】
カテゴリ: マネジメント/自己成長
本日も、二つの体験から、得られたことがある。ひとつは、
某ハウスメーカー社長との談話中に得られたこと、もうひとつは、坂
の上の雲で、米西戦争の最中、とある日本人書生とフィラデ
ルフィアの造船所社長の会話から、得られたことである。


結論から言うと、「ある問いに対する答えは、実質的回答か、
哲学的回答かがあり、その対応いかんで、人間的キョリが近
づく」ということだ。


○某ハウスメーカー社長

「なぁ、古川さん、「美」とは何か、わかる?」と尋ねられた。

それはモデルハウス見学中に、この家のよさについて話している
時だった。私は、哲学的な問いをされたと思った。この回答いかん
で、社長とのキョリが近づけるだろうと。そこで、「私が感じる美で
よろしいですか?」と尋ねたが、「違うんだよ」と考える間もなく、攻
撃された。


「美とは「色彩の調和と、寸法のバランス」なんだよ。これね、実証
されてるの。どんなにイイモノがあったって、いい素材があったって、
美しいな、住みたいなって思う家じゃなきゃダメなんだよね。見てご
覧?この家も、あの米松とこの「う造りの桐」。この3本ののキョリと
バランスね。」こういうのが「美しい」っていうんだ。自然界の法則な
んだよ。」

何か哲学めいたことを答えようとしていた自分のおろかさ、
そして、「美しさ」について、実質的に検討したことのない
自分のおろかさに気づいたのであった。「色調」と「辺比」
で、それを美しいと感じる根拠も、「自然界」がヒントであ
る。確かに、黄金率も、オウムガイの生物構造に見られると
いう。話を戻すと、実質的な解答こそ求められていたのだっ
た。そこでズバっと答えられたらもっと社長に近づけたとだ
ろう。



○坂の上の雲
時は日清戦争後である。主題とは離れた逸話的話題であるが、
ひとりの青年が、アメリカで造船を学ぶときに出てきた会話。
1984年(明治27年)に、日清戦争が始まり、翌年3月
に日本が勝利したのち、日本政府は東アジアの国際情勢の緊
張のもと、大規模な海軍拡張を始めた。このとき、日本をは
じめ、多くの大国は、海外の様々な国々の造船所で軍艦を造
っていた。そのとき、外務次官であった小村寿太郎は、書生
桝本卯平を、フィラデルフィアのクランプ造船所で、造船技
術を身につけさせた。その桝本は、大学は造船科、在学中は、
実習生として長崎の三菱造船所で働いた。その、桝本は、こ
れから戦うだろうロシアがアメリカの造船所に注文した戦艦
の建造を実際に目の当たりにすることになった。背景はこの
程度にして


さて、そのクランプ造船所の社長に出会うとき。クランプ社
長にこういわれた。


「君は自分の工場になにを学ぶために入る」と。


桝本は、これを哲学的な質問に出あったと感知し、それをこ
う答えた。「私は船を造る練習にきたのではなく、船をつく
られるあなたを学ぶためにきたのです」と返答しているのだ。
この返答に、この老人社長は随分感心し、桝本を気に入った
と話が展開されている。気に入られたのが、「あなたを知り
たい」といったからなのか、哲学的に返答したからかわから
ないが、ただ、ここで実質的な回答をしても、心には残らな
かったのは確かろう。さて、


何が、実質的で哲学的かという定義は難しく、敢えて、避け
るが、様々な場面で、このようなシーンには出会う。就職活
動、上司との会話、クライアントからの質問、全てにおいて、
その返答次第で、キョリが縮まる。今、尋ねられているのが、
「実質」か「哲学」かは、尋ねられた顔を見ればたいていわ
かるが、これをうまく判別する力があり、きちんと返答する
術があれば、「いわゆる」上手の人と、近づける。発言権獲
得ゲームの、カネとは違う軸での勝ち戦術のひとつとなろう。
それでも、自分なりに考えて、答えると


「違う、そういうことを聞いてるんじゃない!」


と言われるから、その辺りの技術化はやや難しい。
編集 / 2005.03.13 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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古川大輔

Author:古川大輔
地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる古川大輔が現場感あふれる日々をブログにアップ。コンサルタント視点のコラムもあり、地域経営、会社経営、人生経営のヒントにもご覧ください。 ~地域・地方にこそ美しい日本の宝あり~

⇒【連絡先】
株式会社 古川ちいきの総合研究所 
E-mail:furukawa@chiikino.jp

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